《MUMEI》

「うん──そだね、確かに」

「この桜は──この祇園の地で最も美しいとされる物だと僕は思う」

「ぇ?」

「──僕はそう思うが」




 その瞳は、輝いているように見えた。 ──宝石のように。




「アゲハ君」

「?」

「目、綺麗」

「目‥?」




 アゲハ君は、きょとんとして自分の目に手を翳す。




「──変わっていると思っていた」

「ぇ」

「青味がかっているものだから」

「変わってなんかないよ、凄く綺麗」

「──有り難う」




 嬉しそうに、アゲハ君は笑ってくれた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫