《MUMEI》
降り注ぐ接吻
アヅサは

目が強い
  あんな風に見られると

誰だって、ぐちゃぐちゃになる。
そのくせ聡明。


あまり人前で会話が出来ないのが特徴だった。
合わせる必要がないから。
決まった同年代の子供、選ばれた彼等には優しかったかもしれない。

彼の思考には誰しも無知。

神のように煌めいて
神のように残虐





秘密を抱えていた。

あの小さな肩では耐え切れない量を。

アヅサが言えばどんなことも本当になった。
その唇で愛を囁いた。

好きだ 愛している 君は俺の物だ ……と。

それと同じように囁いた。
死ね 殺してやる 俺の手の中で永遠に眠れ ……と。

まるで王子様がお姫様に語りかけるように。

その手は温かくて本当に眠りにつきたくなった。

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