《MUMEI》 つ‥ 次はっ‥。 そうだっ‥ ペンで名前を書いてもらうんだっ‥。 「これで──名前を書いて頂けますか‥?」 「誰のや」 「ご自分の──」 「‥手間かかる手品やな‥」 ブツブツ言いながら、 茨姫がペンを受け取った。 「‥‥‥‥‥‥‥」 カードに名前を書いて、 溜め息をつく。 「‥ん、これでええやろ」 「どもっす──。じゃあそれは破いちゃって下さい」 「‥は‥?」 ポカンとする玲奈お嬢様。 「どういう事やねん、破くて‥。わざわざ名前書かしといて‥」 「お願いします」 「‥もぉ‥‥‥」 前へ |次へ |
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