《MUMEI》

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「あ、小野崎さんだ」

「イイな、あの乳!!今日も最高だっ!」

「一度でいいから、相手してくんねーかなぁ…?」



わたしの背後にいる男たちが、千影の姿を目撃したらしく、まるで変質者のように、ハァハァ呼吸を荒くしていた。


当の千影は男たちに気づかず、つづけて言った。


「むかいの席、座っていい?どこも空いてないんだよ」


お昼の時間帯、学食は激混みで、席を確保するのが困難なほどだ。


わたしは、いいよ〜、と答え、ニッコリした。


「席料500円ね」


女に媚び売ったって、得することなんか少ない。だったら、いかに自分が得出来るかを考えて行動しなきゃ、世の中渡っていけない。


それに千影って、なにげモテるから、なんかムカつくのよね〜……。

ま、わたしの足元にも及ばないけどっ!




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