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《MUMEI》 ◇◇◇ 『───────』 『──黄羽様』 『うづき──久しいな』 『今日は抜け出して大丈夫なのですか？』 『ぁぁ、夕刻までに戻れば問題は無い』 黄羽様は、そう言って私に笑いかけてくれた。 『──君は‥』 『？』 『君は‥今の自分の暮らしをどう思う』 『どう‥？』 『──満足‥しているか』 『──はい』 『何故──』 『こうして黄羽様とお会い出来たのも、私が花売りだからです。花を摘みに──ここへ来ていたからです』 もし花売りじゃなかったら。 私はきっと、あの人には出会わなかった。 だから私は、花売りで良かった──そう思った。 ◇◇◇ 前へ |次へ |
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