《MUMEI》

(なんで…?
なんで後ろ向きのままボールの位置がわかったんだ?)


訳のわからない三島。


しかし、


偶然でもマグレでもなく、


クロにはボールの位置がわかっていた。


















(ボールを見ながら走ってたんじゃどうしたって遅れる。


少しでも離されない為にボールを見るのは諦めたよ。


でも三島。


お前の走るコース、


そしてお前の視線を考えればパスの軌道はある程度読める。


ボールを取る為にお前がスピードを緩めた瞬間チャンスは生まれる。


後は予測したコースに飛ぶ。


それだけだよ。)



















クロはボールを翔太に回すと、


すぐに翔太からボールをもらう。


三島がいないディフェンスの穴を攻めたのだ。


「詰めろ!!」


すぐに間を詰める秀皇ディフェンス。


が、


クロはディフェンス手前でパスを出す。


(引き付けといてやったよ。)


(グッジョブクロ!!)


そのパスの先には、


外へ切り込むヤマトがいた。


「ナイッシュー!!」


シュートが決まる。


10対8。

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