《MUMEI》
優しいエース
「お前サイコーだな!!」


ディフェンスに戻る最中、


ヤマトがクロに話し掛ける。


「まぁね。
でもヤマはサイテー。」


「は?」


「遠慮しすぎなんだよ。
優しすぎ。」


「ど〜いう意味だよ?」


「あのディフェンスに遠慮しすぎ。
そんなんじゃプロなんてなれないよ。」


クロがそう言うと同時に、


「ピッ!!」


秀皇大学のリスタートが迫る。


「こっち!!」


秀皇左サイドの選手がセットしきれていない海南ディフェンスの穴に潜り込む。


「詰めろ!!」


センター麻倉からパスが通る。


「ちっ…」


すかさずカバーに入る翔太。


が、


「ピー!!」


これがファールとなる。


「バ〜カ!!
焦る場面じゃないだろ!!」


ポスト不和が翔太に言った。


「すいません…。
つい焦って…。」


リスタートの怖い所はこれだ。


ディフェンスの焦りからミスに繋がるケースが多い。


点差を詰めつつあった場面であったからこそ。


翔太はここでの得点を抑えたかった。


結果的に7メートルを取られてしまったが。


「頼むよ恭介。」


恭介は返事をしなかったが、


ガッツポーズを見せていた。

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