《MUMEI》

秀皇大学の選手たちがディフェンスに戻り、


7メートルを打つ川上が7メートルラインに立つ。


クロと鳥居の海南クラブ両サイドは、


ルーズボールに備えていた。


翔太、猪狩、不和の3人も定位置に立ちシュートを待っていたが、


ヤマトは定位置にはつかず、


クロの近くにいた。


「何だよ。
遠慮してるって?」


「…向こうにどんな理由があってサイドを2枚目を置いてるのかはわかんないけどさ、
結果的にかなり痛いとこ付かれてるよね。」


「…何だよ?
クロが何言いたいのかわかんね〜よ。」


「ヤマはさ…」


クロたちの会話を無視するかのように、


「ピッ!!」


川上のシュートが打たれる。


(ん…)


「バシッ!!」


「よし!!」


恭介がボールに触れる。


が、


(いっ…てぇ…)


ゴール左上に打たれたシュートに触る恭介の右手は、


シュートの勢いを殺しきれず、


「ナイッシュー!!」


無情にもボールはゴールに吸い込まれた。


後半7分。
11対8。


「おしぃ!!」


「悪い…」


「恭介さんください!!」


翔太がボールを貰う。


リスタートを仕掛けようとしたのだ。


しかし、


クロとヤマトがセンターラインに来ない。


「クロさん!!
ヤマトさん!!」


その声に気付きセンターラインに向かうクロとヤマト。


「ごめんごめん!!」


「…」


謝りいつもと変わらない様子のクロとは対照的に、


ヤマトはどこか険しい表情をしていた。


(…ヤマトさん?)

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