《MUMEI》

久しぶりの登校で静流の気合いは入りまくり、校門で出待ちされる毎日だ。

冷やかしてくるクラスメイトにうんざりしてバイトにかこつけ早引きし、樹は裏門から帰ることにした。


雨が降り出した。
交通費節約の為に自転車にしている。今日は天気予報を見ずに出てったために傘がない。
バイトに直で行くためのルートで歩道橋を渡る。


歩道橋の真ん中でしゃがみ込んでいる人物がいた。
急ブレーキをかけて自転車を停める。
「大丈夫ですか!」
格好から、同じ学校かもしれない
顔を覗き込む。




樹は心臓を握られたように萎縮した。


    白い包帯

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