《MUMEI》

「──サクヤ」

「‥ぇ」

「僕達は‥あれで良かったのかも知れないな」

「『あれ』‥?」

「今こうして、一緒にいる訳だから」

「──そうだね」




 あれで、良かったんだ。




「──しかし‥石井はどこにいるんだろうな‥」

「ぁ‥‥‥」




 ‥そうだ。ミドリが神社の裏に行ったきり‥。




「‥呼びに行くか‥。暗くなって来た事だし」

「──うん」




 明日はもう、帰らなきゃならない。 月曜日からは、学校がある。




「ミドリー、そろそろ旅館──」

「‥何をしている‥? 石井‥」

「ぁ、──戻って来てたんだ二人共」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫