《MUMEI》
連絡網
(部長を待たせるとこわいからな…)


俺達は、自然と早足になりながら今日の練習場所である体育館に向かった。


そして、歩きながら、志貴の説明を聞いた。


「あのね、忍さん、おばあちゃんと会った時連絡先交換したらしいの。

で、忍さんからおばあちゃん、おばあちゃんから私に連絡来たってわけ。

私は

…というより、おばあちゃん以外の身内は、忍さんと直接やりとり無いから」

「そうなんだ」

「安心した?」

「うん」


(忍が、余計な事言うとは思えないけど…)


春日家当主の執事という立場の忍が、勘のいい高山一族とこれ以上接点を持つ事を、俺は恐れた。


「祐也も独占欲強いんじゃん」

「違う」


頼の言葉をすぐに否定したのに


「違わない」

「わなーい」


すぐに、志貴とエイミーに、また否定された。


「じゃあ、それでいいよ、もう」


(本当の説明できないし)


ため息まじりにそう言って、俺は体育館の扉を開けた。


そこには、既に、俺達以外の部員と、顧問の相田先生

それに、卒業した部長がいた。


「あ、間に合った!」


(…ん?)

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