《MUMEI》

扉が、

開く。





お嬢様が、

入って来る。





「──お帰りなさいませっ、お嬢様☆」





うん、

この調子だ。





「紅茶の支度が出来ております、どうぞっ──おかけ下さい☆」

「───────」





俺が椅子を引くと、

玲奈お嬢様がちょこんと座る。





「紅茶、お注ぎ致しますね──」





ティーカップに、

半分位。





角砂糖2つも忘れずに──。





「お味の方は──如何ですか?」

「‥うん」





頷いて、

今度はフォークを手にした茨姫。

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