《MUMEI》

なぜか興奮しはじめた昌平と、青ざめたわたしを見て、義仲は腹を抱えてゲラゲラ笑い出した。

「昌平、ドM〜!キモ〜い!!」

ギャアギャアさわいでいると、向かい側から冷めた声で千影が言った。

「いい加減にしなよ、3人とも。みっともない」

「……って、わたしをコイツらと一緒にしないでよ!」

わたしは勢いよく振り返って、千影に怒鳴った。昌平は千影の顔を見て、パッと顔を輝かせる。

「千影〜〜!!」

テーブルを回り込み、昌平は千影に抱き着こうとしたが、千影は瞬時に彼の顔面に正拳突きをお見舞いする。

「ウザい。近寄んな」

昌平は鼻血を吹き出しながら、そんな千影が大好きだっ!と叫んだが、千影はあっさり無視した。その様子を見て、義仲はいっそう笑う。


なんなんだ、コイツらは………。


げっそりしているわたしに、義仲が顔を近づけてきた。

「……で、璃子ちゃんは、ダレとデートするの?」

わたしは半眼で彼を睨み、関係ないでしょ、とばっさり切り捨てる。

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