《MUMEI》

「大丈夫です!!」


それぞれ、Aチームの代表智哉が、Bチームの代表俺が合図を送る。


その様子をみた審判が再び中央のサークル内に、ボールを置いた。


ついさっきと同じように、智哉が俺と対峙する。


たださっきと違うのは、言葉が無かったこと。


静かに、緊迫した空気が流れた。


ピリピリとした感覚が、俺の体全身をつつく。


気を取り直して再度構えた。


今は試合に集中!!


審判のコールが鼓膜を突き破った。


「っしゃあ!!」


いち早く反応し、智哉より先にボールを奪い去る。


そのまま誰に追いつかれることもなく、順調に走った。


だがここで違和感を覚える。





なんでボールをカットしに来ないんだ?


普段なら煩い程マークがついて、ディフェンダーだってしつこい程纏わりついて来るのに。


そう思ってゴールを見た途端、目を見張った。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫