《MUMEI》

「──あれっ、桜庭君っ‥!?」

「どうなさいましたの? そんなに慌てて──」

「お嬢様にっ──ご報告をッ!!」





急げ急げ急げ〜!!





「玲奈お嬢様ぁーっ!」





ってここだ102号室っ──。






「──お嬢‥様──」





部屋の扉を、

叩いた。





ガチャッ、

と鍵が開く音。





「‥何や?」

「──合格しましたっ☆」

「ぇ」

「受かったんす俺っ。お嬢様のお陰で☆」

「‥‥‥阿呆、あたしは何もしてへんわ。‥っ?」

「ありがとうございますっ」

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