《MUMEI》

「はぁ‥?」

「お嬢様が協力して下さらなかったら、俺──絶対合格出来ませんでしたっ‥だから──ほんとにありがとうございますっ」

「‥‥‥喧しいんじゃ阿呆。‥ていうか‥いつまで手ぇ握っとんねん」

「──!!」





ヤベッ‥。





「‥おめでとさん」

「っ‥?」

「──ようやった。褒めたるわ」

「お嬢‥様──」

「ほな、また来週な」

「あっ、お嬢様」

「‥寝かしてや、この3日間‥あたし寝てへんかったんやから」

「ぇ‥?」

「あんたが心配ばっかしよったせいで──すっかり寝不足になってもうてんで」

「ぅ‥、申し訳ございません‥」

「──ええからもう帰り」

「ハ‥ハイ──失礼致します──」





迷惑かけちまったな‥。





まだまだ半人前な俺だけど‥

お嬢様──

認めて下さるかな‥。

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