《MUMEI》
わだかまり
信之「疲れたね」

マミ「うん」

信之「電話、鳴ってたじゃん」

マミ「リオから…」

信之「俺、シャワー浴びるから、電話してみたら」

気を利かせたつもりだった
マミ「…うん…」

ゆっくりシャワーを浴びて出ると

マミ「なんか、ノブが遠いよ…」

そう言って、マミが風呂へ消えた



パジャマ姿で出て来たマミ
マミ「ショックだった?」
信之「まぁ、ちょっとね」
「マミ、」
「もし、俺が居なかったら、パーティーに行った?」
マミ「何、それ…」
「…私は、ノブが大事なの!」
「そんな言い方、しないでよ…」

信之「違う、…言い方、悪かった…」

「もっと、悪い、言い方かもしれないけど」
「マミは、平気?」
「ケン、みたいな奴が居ても、参加する?」

マミ「…」

信之「マミに酷く絡んで来るじゃん」
「けど、リオを立てて行くのかなって…」
「そう思ったんだ」

マミ「私は、行かない方を選んだの」

「ケンがどうとかじゃなく…」

信之「俺に気を使ってだろ」

マミ「何よ!」
「私には他に選びようがないのわかるでしょ!」

「何でそんな…」

「邪魔なら邪魔って言ってよ!」

「直ぐに消えるから!」

「ノブのバカ!」

「ノブなんか嫌い!」

マミが部屋を飛び出した

パジャマのまま

信之「マミ、待って」

追い掛けた

マミ「来ないでよ」

信之「マミ、落ち着いて」
マミの手を引く

マミ「放して!」

振りほどき、走り出すマミ
信之「待って、マミ!」

バカ、信号赤だろ

プアーーン!

トラックにホーンを鳴らされた

マミの腕を掴み
引き寄せた

信之「マミ、危ないよ」

マミ「うるさい、見えてるよ!」

信之「…いてて…」

マミ「ノブ?」

マミの腕を掴んだまま、
足を見た

何か、刺さってた

マミ「ノブ、裸足じゃない!」

信之「慌ててたから…」

マミ「見せて、」
「血が出てる!」

「大変、あたしのせい…」
真夜中の横断歩道のわきでマミにキスをした

マミ「…」

信之「…まだ逃げるなら、俺、追い掛けるよ…」
「足が無くなったら、這ってでも」

「…帰ろう、マミ」

マミ「うん」

信之「泣くなよ、」
「俺、マミの笑顔が好きなんだから」

マミ「うん」

そう返事をしながら、泣いたマミだった

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