《MUMEI》

「これで文句ね〜だろ?」


「…サイコーだね。」


ディフェンスに戻る海南クラブの雰囲気は、


どこか自信に満ち溢れていた。


対照的に秀皇大学は焦りを感じていた。


特にキーパー、


泉は。

















(…やるな。


勢いづいたヤマトのシュートはホントに厄介だ。


同じコートに立ってる時何度も思った。


こいつは敵にしたくないって。


…皮肉だな。


今まさに、


そいつを敵に回してるんだから。)


















「1本行きましょう!!」


秀皇大学の攻撃。


セットの展開から右45のロングシュートが打たれる。


が、


「バシッ!!」


恭介がこれを止める。


「ちっ…」


速攻は出ない。


三島の戻りがクロを上回っていた。


(この試合クロの速攻が1本もない…。


あって当たり前だと思ってただけに苦しいな…。


それに…)


「恭介さん。」


「ん、
おぅ。」


恭介は翔太にボールを渡す。


「1本行きましょ〜!!」

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