《MUMEI》
好きなこと
秀皇ベンチ。


「どうなってんだよ!!」


1人興奮していたのはポストだ。


「あのサイドはケガに弱いんじゃね〜のかよ!!」


「デカい声出すな。」


他の選手は対照的に冷静だった。


川上はポストにそう言うとスクイズボトルに手を伸ばした。


「無駄みたいだな。」


泉が口を開く。


「あいつ昔から、


あっ、


あいつってクロのことね?


あいつは昔から気にしてた。


筋力がつかないこと。


ケガに弱いことをね。


だからあいつは昔から好きでもない牛乳飲んだりしてあがいてた。


今、


それが実ってんだ。


あいつは大ケガはしない。


最初っから…


真面目にやりたかったなぁ。」


選手たちは複雑な表情をしていた。


麻倉も、


三島も、


そんな勝ち方は望んでいなかった。


だからこそ三島は、


前半の最後に速攻を多様した。


それが三島にとっての最高のプレーだったから。


卑怯な手を使わなくても勝てることを、


証明したかったから。


「黙れ。」


川上が口を開く。


「俺たちに負けは許されない。


黒田を追い出すのは無理…か。


…保険をかけといてよかったな。」


「?」


「効果はさっき確認した。


もう十分だろ。


仕上げにかかろう。」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫