《MUMEI》 二つの頭が上を向き、同時に口を開ける。 すると二つの頭は協力するかのように、辺りの空気を黒いものへと変えていった。 悪寒を感じ、思わず身震いしてしまった。 ラルフは今度は黒い空気を二つの頭の中央へよせ、円形にする。 その間、約二秒。 そしてそれをグレイドへ目掛けて発射する。 ラルフの口から放たれたそれは、重力と伴ってより勢いを増した。 目で追うのがやっとのスピード。 「危ない!!」 だがグレイドは余裕の表情で、なんと、剣で打ち返した!? ラルフもこれには予想していなかったのだろう、見事にオウム返しを食らった。 「ぐぁ!!」 頭に的中し、鈍い音を立てて墜落する。 「決まったな。」 グレイドが満足げに微笑を浮かべて、剣を手から放した。 剣は、一瞬にして消え去った。 前へ |次へ |
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