《MUMEI》
プロローグ。
  
「武!! たけし〜!! 武のパパみたいなの見つけた〜!」

休みの日、武と一緒にビデオレンタル屋さんでDVDを選んでいたら、前に武の部屋で見つけた武のパパさんの写真みたいな俳優さんのジャケットのものを見つけてしまった。

= = = = = = = = = = = = = = = =

かなたが騒いでいたトコに行ってみると、そこにはズラリと任侠モノのDVDが並べてあった。

「んあぁ…似てるっちゃ似てるけどよ…親父はこんなにフケてねぇぞ…」

かなたはその親父にどことなく似ているような俳優のDVDのジャケットをひとしきり見ると、そのままVシネマの棚に行こうとしていたんで、そのかなたの肩を掴んで止めた。

「おいおい…お前15歳だよなぁ」
「そうだよ、武も15歳♪」
「そっちVシネだぜ」
「ん…ヤクザーな映画でしょ?」
「まぁそうなんだけどよ〜あのな…」

分かってないようなので、かなたの耳元にこっそりVシネの内容を教えると、ちょっと興味があるのかじーっとそっちの棚の方を見つめていた。

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