《MUMEI》 「…パパさん だめだよ 僕は武の恋人だから…ごめんなさい///」 そう言うと俺は武に似たパパさんのほっぺたや鼻先にチュッチュッと口づけをした。 「でも、またここに遊びに来ていい…?」 「あぁ、いつでもいいぞ」 武がビビってる割には優しそうなパパさんの膝から飛び降りると、持ってきたリュックの中から前に俺に似てるって言われた白くてモコモコな子犬のぬいぐるみを取り出した。 それを黒くって殺風景だったリビングをよく見渡せるような棚の上に置いた。 「ココに置いて下さいね///」 「あぁ…何だか拍子抜けするな」 「この部屋が、殺風景だったから…パパさん一人でも寂しくないようにって…」 「そう…か…」 パパさんは笑顔だったけど、何だか寂しそうだったから。 = = = = = = = = = = = = = = = 息子の恋人から鼻先へのキスを貰った。 そんな事はあいつ以来だった…。 「パパさん、またココに遊びに来ていい?」 「あぁ、いつでもいいぞ」 そんな可愛いらしい息子の恋人を玄関先まで見送ると、その子は息子の腕にギュッと抱きついていた。 武と仲良く手を絡ませ合っている姿は、どことなく昔の俺たちに似ているような雰囲気がした。 「雛子…武がお前に似たような子を連れてきたぞ…」 武は…お前の姿なんか見た事も無いのにな…。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |