《MUMEI》 義仲は、いってーなぁ、と言いながらも、顔はニヤけている。 殴られた頭を撫でながら、ため息をついた。 「まったく、とんだじゃじゃ馬だぜ、俺のオンナは」 その、一言に。 わたしは凍りつき。 周りのみんなは、シラけた目をむけた。 「なんだ、痴話ゲンカか」 「見せつけやがって〜」 昌平も千影に絡みつきながら、甘えた声で言う。 「千影〜、俺たちも犬もくわないような話しよーよー」 「うるさい。死ね、マゾ」 千影は昌平の顎へ、きれいにアッパーカットをきめた。 わたしは完全に誤解している周りを見回して、 心の中で叫んだ。 −−−−ちっがーーーうっ!!! こうなったら…………。 自力でこの《負のスパイラル》から、 脱出してやる!! ****** . 前へ |次へ |
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