《MUMEI》
いぢわる
しっぽりと滑(ぬめ)りをまとった氷室を、数学教師のしなやかで繊細な指が挟み込む。

それぞれ思い思いの弧を描きつつ動きを変えながら、添えられた5本のしもべは、腕白坊主を優しくねじるようにもてあそんだ。

氷室は今、服従=快感の公式を、否応なく身体に刻み込まれている最中だった。

やがて馴染み深い上下動が加わると同時に、ひとたまりもなく悦楽の淵へと追い詰められていく。

「ハァ、アァ、アア…」

再び脳みその奥で、白い何かが爆ぜそうになる。

と…

突然、珍宝が指の動きを止めた。

恨めしそうに潤んだ氷室の瞳に、同僚教師の勝ち誇ったような笑みが映し出される。

「今度は、氷室っちじゃなく…」

珍宝は屹立(きつりつ)したままの氷室を放置すると、濡れた指先を気にすることもなく、おもむろに自分のベルトを外し始めた。

「俺のために、そいつを…」

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