《MUMEI》
記念日好き
「何の記念日?」

「やだな、希。今日は俺が希に告白して、付き合い始めた日じゃないか」


(そういえばそうだっけ)


去年の今日、確かに二人は付き合い始め


『クローバー』で記念パーティーが開かれた事を、俺は思い出した。

「そうだった?毎月柊がいろんな記念日言うから、忘れてた」

「本当は毎日希と付き合える記念日なんだけどね」


「…キザなヤツだな」


呆れたように頼は言ったが


「でも、記念日たくさん、…いいな」

「毎日でもやろう」

「…毎月でいい」

「わかった」


エイミーの呟きに、すぐに態度を変えた。


「それとさ、祐以外って事は、今日は俺とエイミーの婚約記念も兼ねてる?」


エイミーばかり見ていた頼が、初めて秀さんを見つめた。


「少し違う。今日は、お前の恋人を紹介する為のパーティーでもあるが

正式に婚約する時は、それぞれの家族も呼んできちんと行う」


(そうだよな)


婚約という大事なイベントを、俺の誕生日パーティーと合同で行うのはおかしかった。


それは頼も理解したようで、すぐに『わかった』と納得していた。


こうして、全員納得したところで乾杯となった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫