《MUMEI》
始まり
「ふあ〜…」

「眠い?」

「うん」

そう言ったとたん、隣の少年に頭を叩かれた。

「いった〜…何するのさ!ティアル!」

「だって眠いっていうから。こうしたら、琳音は起きるから」

隣の少年はティアル。
赤が好きなのか上の服は赤が多い。

で、私が琳音(りんね)。

「説明は僕のほうからしようかな」

琳音は身長は低くて、普段は笑ってばっかりの普通の人(だと思う…)。

「だと思うってひどっ!」

「だって、この間逢ったばっかりだよ?あんまりよく知らないって」

そう。

つい2週間前ぐらいに知り合ったばっかりの知り合いみたいな関係。

でも、知り合いって関係じゃない。

私たちは…


先祖と子孫なのだ!

「そんなたいそうなことじゃないけど」

「いいの!すごいことだから!」

だってすごいよねぇ。
あ、親とかじゃないよ。だって、ティアルは17歳で私は15歳だから!

「まぁ、1000年前の人間だからね。僕は」

ティアルは1000年前の伝説になっている護衛。

もう1人、ティアルの親友の護衛と、2人が護衛していた国王様が居る。

「その2人も封印されているんだよね」

「僕が一番に封印されたからよく分からないんだって」

「そうだった」

「この封印がもう解けているのかも分からない」

そう。
全ての封印がされた石、通称・封印石がどこにあるのかは全く分からない。

だから、ここにティアルが居るということはすごいことなのだ。



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