《MUMEI》

 というか、そもそも同性で結婚なんて出来るんだろうか、可能な所もあるって言うけど現実はどうなんだろう…。

 克哉さんと”結婚”……か。

 そう考えると何だか心の中がくすぐったくなるような感覚がした。

 克哉さんとお父さんは実家の方に行って残してきた荷物を持ってくると言って、二人だけで出て行ってしまった。

 ソファーの上で足を組んで相変わらずふんぞり返っているさくらさんの上に乗ったくるみちゃんは…大きなおっぱいに頑張ってひっついて

いる子犬のように見えた。

 …そういえば、くるみちゃんは幼稚園では小さい方だけど、やっぱりおっぱいを欲しがる子にしては若干大きいような気がする…。

 ご両親はとっくにこんな大きな克哉さんも、遠い異国の日本で高校に通っているあの双子ちゃんも育て終わった人達だから子育て慣れして

しまっているのだろう。

 そこに年齢も離れた時期に出来たくるみちゃんが可愛くて、少々甘やかし過ぎているのかもしれない…。

 あぁ…でも、こんなに可愛いらしい子供が居たら僕はこれ以上に甘やかしてしまうような気がする…。

 生まれながらにして天使のように可愛いくるみちゃん…大きくなったらどんな子になるんだろう…。

 可愛い男の子になるのかな…それとも格好良いイケメンになるのかなぁ。

「ねぇ」
「え…あぁι」

 くるみちゃんを見ながらボーッとしていた僕は呼ばれてふと我に帰ると、さくらさんがおっぱいを飲み終わったくるみちゃんの両脇を抱え

て、まるでお人形さんか何かのようにヒョイと渡してきた。

「はい、どうぞ」
「え…わぁっι…ぁ、眠いのかなくるみちゃん」
「うん…」

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