《MUMEI》

部屋に入ると、既に優子がいて、怪訝そうな顔をして私を見た。

「なに、この部屋…汚すぎ。」

床には二、三枚の脱ぎ捨てられた服。
机の上には大量のプリント類。
ベッドの上にはグチャグチャにキティちゃんのぬいぐるみが置かれている。

「駄目だ。私、あんたとやっていける気がしない。」

その言葉に私はいらっとくる。

「てか、何勝手に私の家に上がりこんでんの?しかもお母さんとはどういう関係?」

優子はさらりと言う。

「え?おばさんとはマブダチだけど?」

「はい?」

「しかも、勝手とか言ってるけど、事前に許可得てるし。今日、お父さん出張で、家にいないんでしょ。ちょうどいいじゃない。」

やっぱり…
やっぱり優子、あなたが分かりません。

「今日来たのは、怜の家を見たいなって感じで来たんだけど…それよりも怜の私生活をどうにかしないといけないって思ったね。」

「どうもこうも…別にこんくらいよくない?」

「駄目なのっ。あんた男連れ込む時、こんなんじゃ、連れ込めないわよ。」

優子がキッと私を睨む。


もうやだ…
こんな朝っぱらから…


「ごめん、優子、それは学校で話して。」

私は、優子の腕を掴むと、部屋の外に出した。

「ちょっとーーーー。」

急いでドアを閉め、開けられないようにドアを押さえる。

優子を追っ払うと、私は再びベッドに転がる。


現在、ただいま午前5時でございます…

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