《MUMEI》

俺が見てもあきらさんはすっごく可愛いと思う、それに俺達と年も四つしか違わないんだって。

克哉兄ちゃは何て言うか俺達を小さい頃から面倒をみてくれて、兄ちゃと言うよりパパみたいなカンジでだったから、”年の近いお兄ちゃん”ってのに何だか憧れてた。

すごくアキラさんに甘えてみたくって、俺はその細くて綺麗な手を握って一緒に歩いてみた。

「アキラさんってお花屋さんなんだぁ〜♪」
「う…うん///」

背は武よりも低いけど、はるちゃんよりはぜんぜん高いくらいでそんなアキラさんに甘えながら肩に頭をもたれ掛からせるとちょうどいいくらいの高さだった。

下から見上げると整った顔に綺麗に整ったマツゲがパチパチしてて、俺が言うのも何だけど形の良い唇がとても可愛い。

でも細いけどしっかりした身体で、顔を寄せるとほんわかと良いお花の香りがした。

「えへへ〜///」
「かなた甘えすぎだぞ、迷惑かけんな」

そう言ってはるちゃんは俺の頭をコツンと叩いてきた。

「あうっι」
「あっそんな、大丈夫だよ」

そう言ってアキラさんは、俺の髪を撫でてくれた。

「僕も下の兄弟が出来たみたいで、何か嬉しいな///」

そう言いながらニコニコ笑ってる、その姿はパパみたいに優しくて温かかった。

たぶん普通で言うところの”ママみたいに”なんだろうけど、ウチのさくらちゃんは逞しくてカッコいいから。

「兄弟か…アキラは一人っ子か?」

克哉兄ちゃがそう言うと、アキラさんはちょっと悲しそうな顔をして俺を撫でていた手が止まった。

「兄が居るんですけどね…ウチはしばらく疎遠なんです」
「お兄ちゃんが居るの!?ねぇ格好いい!?それかアキラさんみたいに可愛い!?」

そう言うとアキラさんは困ったような顔をして笑っていた。

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