《MUMEI》
目に見えた結末です
長い会話でしたが、交渉は成立しました。
平和的に話し合いで解決出来る事はかくまでにも素晴らしいことにございます。

さて、では兎を助けましょう。
このトリモチ、思いの外粘着性は弱かったようですね。
しかし、軟弱者の兎には強力なものでしたか。

さて、助けて差し上げたので待望の『土下座』をお願いしましょうか。

身を打ち震わせながら土下座をする姿はなんとも滑稽でございますな。
ですが、これでは約束の半分しか果たせておりません。

『若輩の身でありながら愚かにも亀殿に一騎打ちを挑んだ兎を許して下さい』

一回目。

『若輩の身でありながら愚かにも亀殿に一騎打ちを挑んだ兎を許して下さい』

二回目。

『若輩の身でありながら愚かにも亀殿に一騎打ちを挑んだ兎を許して下さい』

三回目。
よろしいでしょう。
私の完全勝利はこれで決まりですからね。
やはり勝利は美味なるものにございますな。
さて、それでは二度と逆らわないよう釘を注しておきましょう。

「弱者を見下すのは実に良い景色にございますな、兎殿。
いかがですかな、見下していた相手に負けるお気持ちは?
しかし、兎殿も同族の中で馬鹿にされるのはお辛いでしょう。
私はこの事を誰にも話さない事を約束致しましょう。
もちろん、それなりの見返りは期待しますが。
さて、私は長い距離を歩いたのは久しぶりですので、水辺に帰るとしましょう。
では負け犬ならぬ負け兎殿、また機会があればお会いしましょう。」

いやあ、長い道のりにございました。
今回は運よくのろまな亀が勝つ事ができました。
慢心は油断を生み、油断は隙を生む。
一見簡単そうでございますが、なかなかどうして難しいものにございます。
では、私は疲れたのでこの辺でお暇(イトマ)させていただきます。

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