《MUMEI》 「…今までのこと。」 「…」 「恭ちゃんは、 秀皇に入ると思ってたから、 凄くショックだったの。 何か… ずっと冷たい態度取っちゃったね。 …ごめん。」 「…別にいいよ。 つ〜か、 俺も悪いし。」 「ううん。 今日久しぶりに恭ちゃんの試合見てわかったの。 何で恭ちゃんが黒田くんとハンドボールしたかったのか。」 「…あいつ最高だろ?」 「…うん。 いい選手だった。」 2人の会話が途切れる。 少し沈黙が続くと、 恭介はカバンを取り出し何かを探し始めた。 「これ…」 「…?」 恭介が取り出したのは、 何の変哲もないただのチョコレートだった。 「俺… ハンドばっかしてバイトもしないから金ないし。 こんなもんしか渡せないし、 渡すっつ〜か… 返すって感じになっちゃうんだけど…」 … 『おめでと〜春奈〜!!』 『お姉ちゃんおめでと〜!!』 『ありがとう〜!!』 『じゃあケーキ切ろっか。』 『わ〜い!!』 『はい。 これ春奈の。』 『あっ…』 『どうしたの恭介?』 『…』 『言ってごらん?』 『その… 上に乗ってるチョコ… 食べたい…。』 『これお姉ちゃんのケーキだよ?』 『…』 『…いいよ恭介!! お姉ちゃんのチョコあげる!!』 『いいの春奈?』 『うん!!』 『ホント!? やった〜!! お姉ちゃん大好き!!』 … 「覚えてたんだ…。」 前へ |次へ |
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