《MUMEI》 . ………よしよし! めっちゃ意識してる〜〜〜! 順調だな!!この調子で頑張るか! わたしはあえて目を逸らし、かばんを覗き込むフリをしながら俯いた。 「……ごめんなさい、少し、席外していい?」 急に先輩は不安げな顔になる。 「具合、悪いの?」 わたしは小さく首を振る。 「電話が……ごめんなさい、ちょっと失礼します」 そう言い切って、わたしは席を立ち、トイレの方へ歩きはじめた。背中に先輩の視線を感じる。だれに電話するのか気になっているのだろう。 わたしはニヤリと笑った。 電話は、狂言だ。 先輩の気を引くための、演技。 効果は抜群だったようだ。 ………もう少しで、釣れるわ!! . 前へ |次へ |
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