《MUMEI》
個性豊かなスカウト組
てっきり怒られると思ったが、カルロスは笑顔を崩さなかった。


〔あの日は仲間と久しぶりに飲んじゃってさ。悪かったな〕

〔こちらこそ、殴ってすみません〕


「なぁー、うちも祐也君と喋りたいわ」

「…へ!?」


(に、日本語!?)


標準語しか知らない俺は、その奇妙な口調に驚いた。


しかも


「あの…、ロシアの、方ですよね?」

「うん。うち、ナターシャ」

「ですよね〜」


ナターシャは、肌の白さも銀色の髪も、ブルーグレーの瞳も、いかにもロシア人な外見をしていた。


すると


「うちら、京都好きやねん。せやから、この口調」


(こ、こいつもか!)


ナターシャの隣にいたやはりロシア系の


こちらは金髪の美男子が、やはり同じ口調で会話に入ってきた。


[ま、まさか、全員日本語、こんなんじゃ…]


『全員個人差はあるけど、日本語喋れるよ。でも、まだまだだけどね』


大志さんの言葉を思い出し、俺は恐る恐る確認した。


その結果


口調がおかしいのはナターシャと、アレクセイのロシア組だけで


他は、大丈夫だとわかり、俺は、心の底から安心した。

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