《MUMEI》

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「なんでもないって顔じゃないよ?」

わたしがさらに食い下がると、先輩は少し苛立ったように声を強くした。

「なんでもないって。片倉さんには、関係ないことだし」

わたしは心の中で舌打ちした。


……面倒くせーヤツだなぁー。


ゆっくり瞬きをして、瞳を潤ませた。

「そんな、冷たいこと、言わないでください……」

ズズッと鼻をすする真似をした。先輩はドキリとしたみたいで、急にアタフタし始めた。

「ゴメン!そんなつもりじゃなかったんだ!ごめんね、泣かないで!!」

慌てて謝りはじめる。




……ったく。

結局謝るなら、最初からくだらねー意地張ってんじゃねーよ。

………ちょっと、懲らしめてやりましょーか。




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