《MUMEI》 Holiday今日は日曜。 休日。 ホリディ。 ホーリーディ。 聖なる日だ。 赤高の選手たちにとって、 久々の休みのこの日は、 まさに聖なる日だった。 … カーンッ!! 「走れ走れ〜!!」 「おい外野早くしろよ!!」 小さなグラウンドで、 子どもたちが野球をしている。 (懐かしいな…) そんな子どもたちを、 峰田は見ていた。 「お前もやりたいか?」 隣にいる男が聞く。 「いやぁ、 俺はもう野球はいいっすよ。 見てるだけで十分す。」 「…ハンドボールは楽しいか?」 「楽しいすよ。 アホばっかだけど皆良い奴だし、 コーチもめっちゃ良い人なんで尊敬してます。 マジでやって良かったと思ってますよ。」 「そっか…。 それならいいんだ。」 「すいません先生。 俺、 野球辞めちゃって。」 峰田が話している相手は、 中学時代の恩師だった。 「何をやろうとお前が決めることだ。 お前がそれを楽しいって言うなら、 俺はそれを応援するさ。」 カーンッ!! 「あ〜!! バカどこ打ってんだよ〜!!」 2人の所へボールが飛んでくる。 パシッ!! ボールを取る峰田。 「すげ〜!!」 「行くぞ〜!!」 ボールを投げ返す峰田。 「ありがとうございま〜す!!」 「…相変わらずいい肩してんな。」 「それだけが取り柄ですから。」 「勿体ないなぁ〜… 鉄壁のセンターだったのに。」 「打率が1割以下ですもん。 そりゃ辞めたくなりますよ…。」 …空は青く、 少し暑いくらいの夏の午前中。 ゆっくりとした時間は、 峰田の心を休ませた…。 前へ |次へ |
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