《MUMEI》

「何でまたヘアバンドなんて欲しいんすか?」


「…お前に関係ないだろ。」


「…まっ、


い〜ですけどね。


欲しいメーカーとかあります?」


「…別に。」


「じゃスポーツ店行きましょうか。


とりあえず一通り揃ってるし、


自分も丁度両面テープ切れてたんで。」


「…あぁ。」


これまであまり喋ったことのなかった村木と話す椎名は、


少し新鮮さを感じていた。


確かに絡みづらい部分はあったが、


その性格を理解し始めていた。


(なるほどね〜。


話してみると案外おもしろいかもしんない。


ユキヒロさんが昔あいつはおもしろいって言ってたけど、


結構当たってるかも。)


大通りの中にある小さなスポーツ店に着く2人。


ハンドボール用品を売っているスポーツ店は中々ない。


ハンドボーラーの悩み所だ。


2人が来たスポーツ店は、


小さいながらもハンドボール用品の充実した店だった。


「いらっしゃいませ〜!!」


店内に入る2人。


椎名に案内され、


村木はヘアバンドを選び始めた。

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