《MUMEI》

商品を選ぶ村木。


椎名はそれを黙って見ていた。


(夢中になってる。


人混み嫌いって言ってたからな。


今まで通りにあるこの店に来たことなかったんだろ。


すげ〜楽しそうだもん。


連れて来て良かった。)


「あれ!?
お前ら…」


声に反応する2人。


「あっ…、
阿久津さん。」


そこには聖龍高校ポストの阿久津がいた。


「何してんだよ?」


「買い物っす。」


「ふ〜ん。
お前も?」


話を村木に振る阿久津。


「…」


黙って商品を選ぶ村木。


「…」


阿久津は椎名に近づき耳打ちする。


(何だよあいつ?
いつもあんな無愛想なわけ?)


(はぁ…。
そういう人なんす。)


「ふ〜ん。」


「つ〜か、
そっちの人は?」


阿久津と一緒にいる男について、


椎名が尋ねる。


「え?
こいつ知らない?」


「…舐められたもんだな。」


(え…


やべ…


どっかで会った人だったかな…)


返事に困る椎名。


「…聖龍の左サイドだろ。」


村木が口を開いた。


「お〜、
お前覚えてたか。」


「え?」


あまり記憶にない椎名。


(…いたかなこんな人?)



「覚えててくれたんだ。


光栄だね。


お前は赤高のキーパーだろ?


よく覚えてる。」


「…村木だ。」


「俺は井川。


井川亮。


そっちのチビも覚えとけよ。」


「うっ…
うっす。」


今後は椎名が阿久津に近づく。


(何すかあの人?)


(プライド高いんだよ。
ウチでハンドやる奴では珍しくないけどな。)


(はぁ。)


「…んじゃま俺たち行くわ。


久々の休みだし。


遊びて〜んだ。


じゃな!!」


「あっ、
どうも〜。」


(久々の休みね…。


他にも聖龍の人うろついてたらヤダな…。


桜井さんとか…。)

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