《MUMEI》
プレゼント
「はい、祐也、プレゼント!」

「あ、ありがとう」

「俺も祐也と同じで体調心配してみた!」

「…は?」


祐からもらったプレゼントの中身は、健康茶とハーブティーの詰め合わせだった。


「祐也はストレス抱えてる感じがするからな」

「そうだな、お前のせいで」


有り難くいただきつつ、嫌味を返した。


「あ、あの…田中君、これ」

「? ありがとうございます」


少し躊躇いがちの希先輩から受け取ったのは


…癒し系アロマキャンドルだった。


「希も同じ事考えてたんだな、やっぱり双子だな」


(…だな)


祐の意見には同意したが、口に出すと希先輩がショックを受けそうな気がして、俺は黙っていた。


「普通に考えて、祐也に必要なのは癒しなイメージだからな。というわけで、俺とエイミーからは、これ」


珍しく祐に同意した頼が俺に渡したプレゼントは


気軽に使える小型電動マッサージ機だった。


「で、志貴と柊は?」

「私はもうあげた」


何故か落ち着き無い柊とは反対に、志貴がきっぱり言った。


今日、俺が着ているシャツは志貴がプレゼントした物だった。

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