《MUMEI》
自分限定センス
「イエスタクマはわかるけど、何で厳までこんなの選んだの?」


志貴は密かに『イエスタクマ』が気に入っていた。


「そういえば、そうだな」


(俺もそう思う)


言動には移さなかったが、俺も志貴や祐と同じ気持ちだった。


「厳は男物選ぶセンス無いからな。自分以外」

「女物を選ぶセンスは昔からあるのに」

「要するに、自分以外の男はどうでもいいんだろ?」

「ち、違う!」


頼とエイミーのやりとりに、厳は慌てて否定した。


「本当に、俺はいつだって一生懸命選んでるんだ!」

「父さんのプレゼントも?」

「そうだよ」

「ジョークじゃなくて?」

「あのお前似で嫌味大好き父さんに、そんな事誰が好んでやるか!」


厳は、その時の状況を思い出しているらしく、かなり必死で反論した。


「…それもそうだな」

「…何でか、うまく選べないんだよな〜」


(松本と石川がセンスあるか、今度試すか)


花嫁候補を選ぶ基準の中には、相手の足りない部分をカバーするという項目があった。


「…それだけよければいいじゃないか…」


全てのセンスが微妙な拓磨が、低い声で呟いたのを、…全員、聞きのがさなかった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫