《MUMEI》
パーティー終了
「そろそろお開きにしましょうか」


俺への誕生日プレゼントを皆が渡し終わり


二組のバカップルに秀さんから、今日の会場の中華料理店の無料食事券が渡されたところで、果穂さんの声が響いた。


時刻は夜九時になっていた。


俺の同級生とその恋人達は、すぐに帰り支度を始めた。


志貴と、…拓磨以外は。


「志貴さん、この後ご予定は?」

「無いけど、祐也はどうする?」


(悪いな、拓磨)


俺は、この後の予定は決めていた。


…一年前から。


「志貴に話がある。それから、祐と柊にも。

希先輩、柊貸して下さい」

「え? えぇ…」


突然の俺の申し出に、躊躇いながらも希先輩は頷いた。


「祐也?」

「祐は時間大丈夫か?」

「あぁ。泊めてほしいくらい」

「じゃあ布団無いから持って来い。必要な物も」

「…マジ?」


断られると思っていた祐は、目を見開いた。


(まぁ、いつもなら断るし)


「マジだ。真面目な話があるから、三人とも俺の部屋に来てくれ。志貴と柊は泊まる必要無いからな。

そういうわけで、悪いな、拓磨」


俺は、言うだけ言って、自転車でアパートに戻った。

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