《MUMEI》 . レストランの会計は、先輩が支払ってくれた。 当然といえば、当然。 お店を出たあと、わたしたちは近くのデパートへ向かった。 すぐにエスカレーターに乗り、紳士雑貨売り場へ向かう。 「先輩、どんなブランドがすきなんですか?」 フロアを歩きながら、わたしは明るい声で尋ねた。松本先輩は少し考えこんでから、答える。 「落ち着いた感じのブランドがすきかな…バーバリープローサムとか……カジュアルなら、ポールスミスやアレキサンダーマックイーンとかもすきだよ」 わたしはほほ笑む。 「このまえいただいたハンカチも、ポールスミスでしたね」 先輩は頷いた。 「あそこは安いからね。よく小物をチェックしてるよ」 安いだなんて……。 ハイブランドですよ? . 前へ |次へ |
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