《MUMEI》 そうこうしているうちに、紳士雑貨売り場に着いた。 わたしたちはハンカチ売り場へ向かい、いろいろと物色する。 ダンヒル、カルバン・クライン、ラルフローレン……。 どーにも、オッサンぽい柄ばっかりだな…。 しばらく探したけれど、ピンとくるものがない。 ………メンドーだな。 わたしは先輩に笑顔で向き直る。 「これなんか、どうですか?プローサムじゃないけど」 バーバリーロンドンの白いシンプルなハンカチを掲げて見せた。先輩は特に気にもとめず、いいね、と笑う。 「ロンドンは上品だし、シンプルですきだな」 先輩の台詞を聞いて、わたしは、じゃあ決まり!と華やいだ声をあげた。すぐさま店員を呼び、ハンカチの代金を支払ってラッピングしてもらう。 . 前へ |次へ |
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