《MUMEI》 デート延長デパートの紙袋に入ったハンカチを、先輩に手渡しながら、ニッコリした。 「このまえは、ありがとうございました!感謝しても足りないくらい」 先輩は袋を受け取ると、うれしそうに笑って、どういたしまして、と答えた。 わたしたちは、雑貨売り場をあとにした。 あてもなく、下りのエスカレーターに乗りながら、うしろにいた先輩がぽつんと呟いた。 「このあと、どうする…?」 わたしはゆっくり振り返る。松本先輩は照れたように笑った。 「もし、ヒマなら……ちょっと付き合ってくれないかな?行きたいところがあるんだ」 −−−アラアラ…。 もしや…松本先輩ったら、わたしの美貌に早くもやられたわね! んもう! 気持ちは、わからなくもナイけどねぇ! チャージ料金、高いわよ…!! . 前へ |次へ |
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