《MUMEI》

カラリッと、ゆっくり扉が開いた。


とたん、眩しい光に目を瞑る。



金。
太陽のような、激しい光。瞼の裏が、明るく、熱くなった。

光に、頭がかき回される。
たくさんの景色が、すごい速さでめぐる。



白い華。
舞い散る花弁。
それを追うように、走る少女。
緩やかな丘を、少女がかけのぼる。
視線の先には、一人の少年。逆光で、おぼろげな顔。でも優しく笑って、何かを言っている。




「「 」」









強い力に押されて、瞼が開く。
視界の中心には、朝の天使のように美しい、恐ろしい少年が立っていた。

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