《MUMEI》 カラリッと、ゆっくり扉が開いた。 とたん、眩しい光に目を瞑る。 金。 太陽のような、激しい光。瞼の裏が、明るく、熱くなった。 光に、頭がかき回される。 たくさんの景色が、すごい速さでめぐる。 白い華。 舞い散る花弁。 それを追うように、走る少女。 緩やかな丘を、少女がかけのぼる。 視線の先には、一人の少年。逆光で、おぼろげな顔。でも優しく笑って、何かを言っている。 「「 」」 強い力に押されて、瞼が開く。 視界の中心には、朝の天使のように美しい、恐ろしい少年が立っていた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |