《MUMEI》

 アゲハ君と、丘に来た。──桜の丘に。




「───────」

「サクヤ」

「?」

「──ご覧」

「ぇ‥」




 アゲハ君に言われた通り、そっちを向いたら。




「ぁ‥‥‥」




 ──蝶。




 黄色い、アゲハ蝶。




「──綺麗‥」

「『黄羽』というのは‥この蝶になぞらえて名付けられたんだ」

「──そうだったんだ‥」

「ぁぁ‥。聞いた話だけど」

「──ふふっ」

「‥?」

「ほんとに昔のまんまなんだね──」

「──君もな」

「ぇ」

「だろう?」

「──うん──そうだね」

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