《MUMEI》

「何してんだよ!!」


「え?」


関谷の声に気付き振り向く一ノ瀬。


「あ!!
お前ら!!」


踊りを止め、


2人に近づく。


「何してんだよ?」


「いやこっちのセリフだし!!」


「何だ終わりかぁ〜。」


次第に人がいなくなる。


「また見せてくれよ〜。」


「あいよ〜。」


ギャラリーに手を振る一ノ瀬。


「お前いっつもこんなことしてんの?」


「好きなんだよ。
元々俺ダンス部だし。」


「え!?
そ〜なんだ。」


驚く日高。


「そのダンス部が何でハンドなんかやってんだよ?」


関谷は冷静に尋ねた。


「廃部になったんだよ。


人数不足でな。


だから毎日1人で踊ってた。


そしたら千葉に誘われたんだ。


頼むからハンド部入ってくれって。」


「へ〜。」


「お前らはどうなんだよ?
何でハンドやってんだ?」


「何でって…」


「千葉が言ってたぞ。」


「何を?」


「去年お前らはいなかったって。」


「…」


黙る関谷。


「俺たちは陸上部だったんだよ。」


日高が口を開く。


「陸上部?


何で辞めたんだよ?


お前ら足はぇ〜じゃん。」


「別に…。」


答えるのを渋る関谷。


「顧問がクソだったんだよ。」


「…どゆこと?」

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