《MUMEI》
最高のシナリオ
そこで会話が一旦途切れたので、わたしは視線を流した。

日曜日ということもあり、街中はたくさんのひとたちで溢れ返っていた。




これだけのひとがいたら、同じ高校のヤツとすれ違いそうなモンだけど……。

……つーか、いっそそうなってくれた方が、わたしにとってはメリットになるんだけどな。


…………だって、ほら!


松本先輩とわたしが、私服で、街中を並んで歩いてるのを見たら、


だれだってデートだとおもうでしょぉ!?


そうなったら、あのアホ義仲とのバカげた噂も、みんなデマだったって気づくじゃない!


さらに、わたしと先輩の噂が広まれば、もう言うことナシ!!



最高のシナリオなんだけどなぁ……。



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