《MUMEI》 とりあえず日蔭者な俺。 地味が特徴。特徴ないことが特徴。 だからせめてオニギリに添えた、たくあんのように陰ながら彼等を支えて行くんです。 そんな俺を好いてくれる娘さんを連れ合いにするんです。 「あ、百円貸して。 今日コーラ持って来るの忘れた」 七生君は気楽でいーですね。今彼女(22)と一番楽しい時期でしょ。 「乙矢に言って、細かいの持ち合わせてないから」 「乙矢は拒否られた」 口を尖らせている、たいていおねだりはこの顔付きにしてくる。 俺にとっては何も感じないが女子からは「カワイイ」と評判だ。 ケッ。 「俺が貸す?」 東屋が財布を取り出した。 「いや、俺が貸すから、 後で自販機行こう!な?」 危ねえ。犠牲者出すところだった。 七生は財布に50円入ってたらいい方で、貸す=貰う方式が樹立している。 俺はコイツにいくら貢いだか知れない。 まったり読書タイムの乙矢を睨む。 ああ、俺もコイツくらいはっきり意志を持てれば……畜生横顔がもうカッコイイぜ!なんだあの美術館の彫刻は! お前なんかダビデならぬメガネ像だ!この眼鏡征夷大将軍が! あれ。誉めてないか? いや、これは妬みだ。 どういう遺伝子で188も伸びたんだコノヤロウ 前へ |次へ |
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