《MUMEI》

ひとしきり纏わり付いたあと、義仲はなにか納得したようにひとつ唸って、それからニンマリ笑った。


「照れんなよ」





わたしの肩がピクリと揺れた。




……こっ、コイツは……ッ!!!




我慢出来ず、わたしは勢いよく顔を上げ、義仲に向かって大声を張り上げた。


「この状況で、どうしてその台詞が出てくんだよッ!?」




怒鳴りつけてから、


サッと青ざめた。



背後から痛いくらい感じる、


わたしを見つめる松本先輩の、シラけた視線に………。





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