《MUMEI》

そんなわたしたちを尻目に、義仲にカツアゲされた少年たちが、顔を見合わせ、なにかを示し合わすように頷き合った。

そして。


「今のうちに!」


その掛け声とともに一目散に駆け出した。

それに気づいた義仲は、少年たちの後ろ姿に向けて、呑気に声をかける。


「気をつけて帰れよ〜!」


走りながら少年たちは義仲を振り返り、悔しそうな顔をした。


「覚えてろ、チクショ〜!」

「タダで済むとおもうなよっ!」


完全に負け犬の遠吠えだった。


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